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松陰を形成した「場」ー山岡荘八『吉田松陰』

山岡荘八吉田松陰

 
いつからでしょう。
常日頃、空いた時間に歴史小説を読みながら、己の生き方や志を養うという折々が減ってきていたのですが、
先日、お知り合いになた方との会話の節、吉田松陰について盛り上がり、
その方より、この本をお薦めくださったことから、隙の時を見つけて読み進めていました。
 
山岡荘八氏の言葉づかいは、まるですぐ側で松陰の息遣いが聞こえてくるような、その場らしさを伝える小説で、一気に読んでしまいました。
 
松陰に関する文献は、折に触れて読むことがありましたが、
この山岡荘八の『吉田松陰』ので得られた一つは、松陰という人格が、どのように形づくられたのか、という生い立ちの背景がよくよくイメージできたことです。
 
小説の冒頭は、松陰の父親となる杉百合之助と、母親となる滝とが、どのように出会うことになったのかという、いきさつから始まります。
 
 人の世において、誰一人として、現に、同じ人は存在しませんし、わたしも、みなさんも、松陰も、誰もが唯一無二のすばらしい存在としてこの世に生を受けています。
 
その個性あふれる「精神」がどのように根を張り、力強く息づいていくのか、
教育にずっと携わっていきたわたしは、 その背景に、とても強い関心をもっていました。
 
一人一人の目に見える「ことば、行動、表情」と目に見えない「考え、感情」という「精神」がどのように養われるのか、皆さんはご存知でしょうか。
 
私たちの「精神」を作り出していく、その原点にはもっともっと深い深い大きな原因が、あり、仕組みがあります。
 
比較的イメージしやすい概念でいうと 「場」という表現がわかりやすいかと思います。
 
「場 Field」という概念をご存知な方も多いかと思います。
物理学でも「場の理論」等ありますが、すべての物質存在は、目に見えない時空間というエネルギー場から生まれています。
 
同様に、人間も等しく、同じような仕組みが隠されています。
私たちは、自らで存在していることは不可能で、家庭でも、仕事でも、つねに、隣の人と人との関係で成り立っていますし、さらに私たちの生命活動は、広げてゆくと宇宙自然といつも相互作用、連帯、協力しながら生きていることは明らかです。
 
ですが、目に見える生命活動のつながりはイメージできますが、目に見えない「精神活動」のつながり、ということは、とてもイメージすることは難しいと感じる方が多いのではないでしょうか。
 
私たちが目に見えない「精神」を生み出しているものの深い部分に、みなさんを存在させている「場Field」があるとイメージしてください。
 
その「場」がどのような「場」なのか。
それを自らイメージできますでしょうか。
 
時空間の観点では、生まれた土地、その時の時代背景がとても大きいものがありますし、そして、エネルギーの観点でのDNAや食、また、家庭という環境から入ってくる情報、国、出会った人、読んだ書物、教育、などなど、「場を構成する要素」というものがいくつかあります。
 
それは無意識なので、普段意識することができず、条件反射でプログラムされているような情報がたくさん書き込まれています。
実は、私たちは、知らず知らずのうちに、環境から条件づけられて、個性というものがつくられています。
 
ですので、
自分の意識を変化させていくには、その原因となる「場」からの大きな変化が必要になっていきます。
 
どこまで深く場を観ることができるか
 
それを観ていく技術が「観術」でもあり、
そして
己と相手と「場」を観ていくと、もっともっと深い分離のできない究極の「真の心」を見つけることができます。
 
そこまで観ることができたときに
実は、その一点に無限大の人間の可能性があふれています。
私はそこに、大和の心と、本来の人間の教育の本質があると確信しています。
 
 
ーーかくすれば かくなるものと知りながら 

  やむにやまれぬ 大和魂

 
 
個人的にも、わたしは吉田松陰に感銘を受けた一人の日本人なのですが
つよく衝撃を受けた言葉、というか言霊が、松陰からあふれています。
 
松下村塾から、なぜあれだけの偉人が輩出されたのか、
いったい、その教育とは何だったのだろうか。
 
その鍵のひとつは、やはり日本の母親にあり
そして、大きな志を育んできた日本の命があり、
長州に流れている命があり
松陰が形成された「場」を観ることができる小説でした。
 
ありがとうございました。
 
宮川古都

 

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